政府のイノベーションプラン2019年に見る 外国人のビジネスチャンス

2019年7月22日 オフ 投稿者: wpmaster

政府が2019年6月に公開した「統合イノベーション戦略2019」について、外国人の目線でみたチェックポイントを抜き出しました。

外国人がこの分野で活躍される場合には、今後在留制度上で優遇ポイントになります。

1.統合イノベーション戦略2019とは何か。

 (1) 昨年来、科学技術イノベーションを巡る国外の進展、変化は顕著(次世代に突入したデジタル化、最先端分野のAI技術、バイオテクノロジー、量子技術の目覚ましい進展など)

 (2)これに対し、我が国の論文の質や量については国際的地位が大幅低下、創業を通じた社会実装の力などにおいては未だ低調

 (3)一方、統合戦略策定後の1年間、大学改革、戦略的研究開発、政府事業・イノベーション化などの取組に進展。一部の世界競争力ランキングにおいては順位を上昇など変化の兆しも

 (4)こうした状況を踏まえ、

    ①Society 5.0の社会実装、創業・政府事業のイノベーション化の推進、

    ②研究力の強化、

    ③国際連携の抜本的強化、

    ④最先端(重要)分野の重点的戦略の構築を四つの柱に統合イノベーション戦略2019を策定

 (5)今後、第6期基本計画策定に向け、国民全体を巻き込んだ幅広い議論を惹起すると同時に、イノベーションの司令塔機能をさらに強化

2.それでは、外国からのビジネスの視線で何がチェックポイントか?

□ イノベーション・エコシステムの創出    

 基礎研究を中心とする研究力強化・若手活躍支援

  ● 研究力強化・若手研究者支援総合パッケージの策定

       ・女性研究者・外国人研究者も含めたインクルーシブなキャンパスの実現 

  ● 大学・国研の共同研究機能等の外部化 

       ・大学・国研等における企業との共同研究機能の強化

       ・民間資金等による大学、国研等における研究資金確保のための基金の形成

       ・大学の出資機能の強化

       ・国費による研究成果の見える化、同窓生ネットワーク等寄附文化の醸成

       ・若手研究者の自発的な研究活動の更なる拡大

       ・競争的研究費における英語対応の拡大 

     ◎ 国立大学は、外部資金の活用等により、国内外から優れた人材をひき付ける魅力的な給与等、優れた研究者(若手を含む)への優遇措置を実現する。また、国研におい ても、それぞれの特性を踏まえた優遇措置について検討する。

     ◎ 大学等の国際化に向け、スーパーグローバル大学創成支援事業や世界トップレベル研究拠点プログラム等の取組による改革の成果を、組織内や他大学・研究機関へ横展開する。  

     ◎ 大学・国研と企業との大型共同研究等を活性化するため、大学・国研の共同研究機能等の外部化を可能とする新たな仕組みの必要性について、2019 年中に検討を行う。 また、オープンイノベーション推進のための技術研究組合の活用に向け、2019 年秋頃までに、技術研究組合を活用して新会社設立を実現した事例や企業と大学の協働による成功事例等を収集するとともに、設立・活用に向けた要点をまとめたガイダンス を策定し、普及・広報する。 

□ 戦略的な研究開発の推進

  破壊的イノベーションを目指した研究開発 (ムーンショット型研究開発)

  ●野心的な目標設定、世界中からの英知結集、 失敗を許容する革新的な研究成果発掘 

     ◎ 未来社会を展望し、困難だが実現すれば大きなインパクトが期待される社会課題等を対象として、国が野心的な目標及び構想を設定する。 世界に開かれた研究開発プログラムの先導的な取組とし、研究開発公募段階から、米国、欧州等との連携を想定し、国際共同研究の具体化を進める。

     ◎ 研究開発やイノベーションの分野ではグローバルでし烈な競争が繰り広げられている。日本の高い研究力に対する諸外国からの期待が近年増大している状況を踏まえ、 基礎研究分野であっても、社会実装の出口に近い応用研究分野であっても、国際連携の加速は不可欠である。また、SDGs、パリ協定の目標達成、スマートシティ化へ の対応など様々な分野で科学技術イノベーション連携が重要な役割を果たす。 一方で、安全保障リスクの観点から、技術流出に対する警戒や管理強化の動きが世界中に出てきている。 今後、我が国の研究力や競争力の強化、安全・安心の確保、社会実装の推進、地球 環境問題といった世界的課題への貢献等の視点から、G7、G20、TICAD7、 国連、二国間連携等のあらゆる場面での国際連携を抜本的に強化する。

     ◎ 研究開発、研究開発成果の社会実装における国際ネットワークの強化

     〇 予算の重点的な配分等により、各府省において国際共同研究プログラムの拡充を図る。また、これまで主に国内を想定してきた研究開発費についても、国際連携のノウ ハウの共有・蓄積を図りつつ、当該研究費を活用した国際共同研究を段階的に拡大する。

     〇 国際的な研究データ基盤の構築に向けて、G7等の枠組みを活用してグッド・プラクティスの共有や研究データの相互運用性の確保などの検討を行うとともに、国際的な研究データの流通を視野に入れた研究データ基盤システムの開発を行う。

     〇 ムーンショット型研究開発において、世界に開かれた研究開発プログラムの先導的な取組とし、研究開発公募段階から、米国、欧州等との連携を想定し、国際共同研究の具体化を進める。

     〇 バイオテクノロジー、量子技術等の分野において、国際研究開発拠点等の形成を促 進するとともに、社会実装や人材育成を視野に入れた国際共同研究を強化する。

     〇 改正工業標準化法に基づき、国、国研・大学における国際標準化に関する活動を強化するとともに、事業者における取組を促す。

     〇 安全保障貿易管理等に配慮しつつ、海外ファンドの獲得や、我が国の大学・国研等と外国企業との共同研究を促進するため、その課題や解決策の方向性等を検討し、「大学・国立研究開発法人の外国企業との連携に係るガイドライン」を 2019 年度中に策定し、周知徹底するとともにその実行を支援していく。  

□ 創業環境の徹底強化

  ● エコシステム拠点都市の形成等 (大学(起業家教育)、民間組織(アクセラレーション)等)

     <世界と伍するスタートアップ・エコシステム拠点都市の形成>

     〇 国内各都市のスタートアップ・エコシステム(資金、ネットワーク、人材等)を分析し、拠点都市への集中支援、ランドマーク・プログラムの招致及び起業家ビザ等の普及による起業家誘致を行うことで、関係府省庁や地方自治体、JETRO等と連携して拠点形成を推進する。また、J-Startupプログラム等との連携により、我が国のスタートアップ・エコシステムの情報発信を図りつつ、拠点におけるスタートアップへの集中支援を実施する。 【科技、総、文、経、国】

     <世界と伍するアクセラレーション・プログラムの提供>

    〇 グローバル・トップ・アクセラレータとの連携等により我が国のアクセラレーション機能の強化を行うとともに、分野ごとのアクセラレーション・プログラムの強化及び創設を促進する。 【科技、経】

     <研究開発型スタートアップの資金調達等促進(Gap Fund)>

    〇 研究資金配分機関等による大規模な資金支援(Gap Fund 供給)等の研究開発支援及び研究開発法人の出資の強化を図る。特に、VC等のコミットを得て行う研究開発型スタートアップ支援に関し、認定VCの見直しやこれまでの取組の費用対効果の検証等を通じ、支援分野やステージの重点化・強化等を行うとともに、国際的に活躍する見込みのある例えばAI等の先端技術領域において、社会課題解決や市場ゲームチェンジをもたらすスタートアップの効果的な支援を来年度目途で検討する。また、日本政策投資銀行・官民ファンドによるリスクマネー供給を活用する。政府が実施する研究開発プロジェクトの社会実装を促進する。また、日本版SBIR制度について、関係府省庁が連携し、政府調達の活用を含めた事業化支援の推進等を図るための、制度の見直しを検討する。 【内閣官房、科技、総、財、文、厚、経】  

     <エコシステムの「繋がり」形成の強化、気運の醸成>

    〇 JОICにおいて、大学発ベンチャーに焦点を当てたピッチイベントの開催等、ベンチャーと大企業、大学等のオープンイノベーション促進を強化する等、関係府省庁においてオープンイノベーションを推進する各種取組を強化・推進する。また、産業界、政府系機関(特に、研究資金配分機関、ベンチャー支援機関)、官民ファンド、日 本政策投資銀行等のネットワーク・連携の強化、表彰を通じた好事例の展開及びスタートアップ関連イベントの連携強化を図る。 【全府省庁】
  

□ SDGs達成のための科学技術イノベーションの推進

  ① イノベーションにおける国際ネットワークの強化の必要性・重要性

  ○ 研究開発やイノベーションに関してグローバルで熾烈な競争が繰り広げられてい る。日本の高い研究力に対する諸外国からの期待が近年増大している状況を踏まえ、 基礎研究においても、応用研究においても、国際連携の加速が不可欠である。

□ 特に取組を強化すべき主要分野

 AI 

  ○ AI関連中核センター群を中核に、基盤研究と実世界領域の橋渡しを担う産総研において運営事務局を設置し、AI研究開発に積極的に取り組む大学・公的研究機関と連携した、AI戦略に即した「AI研究開発ネットワーク」を構築する。 【科技、総、文、厚、農、経、国】

  ○ 海外研究者、留学生、高度AI人材が活躍できるための研究や勤務・生活に関する制度環境(サバティカル、報酬、マネジメント、使用言語等を含む)の整備を行う。 【文、経】

  ○ 世界をリードする質の高い研究者の確保・育成、留学生交流の促進、若手研究者の 海外挑戦機会の拡大、世界の研究者の英知の結集のための、研究推進体制の整備方策の検討、工程表の作成を行う。 【総、文、経】

  ○ AIに関する中核研究プログラムを立ち上げ、AIの基盤的・融合的な研究開発を推進する。 【科技、総、文、経】 

  ○ 研究開発成果の社会実装を促すためのシステム・アーキテクチャを持続的に先導するため、米国NIST等の枠組みを参考に、分野横断的な共通課題や知見の共有、具 体的な指針を策定するための関係府省庁が連携した推進体制として会議体を設置するとともに、同会議体の下に、アーキテクチャ設計を担う専門家による体制を構築、 加えて米国NISTやドイツの関係機関等との連携を検討する。 【内閣官房、科技、経】
 

量子技術

  <技術開発・拠点整備等>

  ○ 「量子融合技術領域(仮称)」及び主要技術領域の詳細を決定するとともに、10 年程度を見通したロードマップを 2019 年度末までに策定する。 【科技、総、文、経】

  ○ 策定したロードマップを踏まえ、基礎研究から技術実証、オープンイノベーション、 事業化・橋渡し等に至るまで産学官で一気通貫に取り組むための「量子技術イノベー ション拠点(国際ハブ)」を、2020 年度を目途に形成する。当該拠点について、様々な支援の活用に加え、国内外の企業等から投資を呼び込む方策を整備する。 【科技、総、文、経】

  ○ 重要な技術領域を設定し、産学連携による研究開発プロジェクト等を通じた重点的な支援を推進・拡充する。また、中長期的な観点から、基礎基盤的な研究に対しては、 ファンディングや研究機関の取組を推進する。 【科技、総、文、経】

  ○ 欧米を中心に、量子技術に関する政府レベルでの多国間・二国間の協力枠組みを、 2022 年度を目途に整備・構築する。 【科技、総、外、文、経】

  ○ 国及び大学・研究機関は、国際共同研究に対する共同ファンディングの仕組みの整備や合同シンポジウムの開催等を推進する。 【内閣官房、科技、総、外、文、経】
 
 

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